滴天髓6
戰局
天戰猶自可,地戰急如火。
天戦はゆったりであり良いが、地戦は急であり火のようである。
干頭遇庚乙辛謂之天戰,而得地支順者無害;地支寅申卯酉,謂之地戰,則天干不能為力。其勢速凶,蓋天主動,地主靜故也。皆見謂之天地交戰,必凶無疑,遇歲運合之會之,視其勝負,亦有可存可發者。其有一沖兩沖者,只得一個合神有力,或無庫神貴神,以收其動氣,息其爭氣,亦有佳者。至於喜神伏藏死絕者,又要衝動引用生髮之氣。
干頭に甲庚乙辛があえばこれを天戦という、地支が順であれば無害である;地支が寅申卯酉であれば、これを地戦という、すなわち天干は良くチカラを発揮できない。その勢いは速く凶である、思うに天主が動であり、地主は静であるゆえである。皆みてこれを天地交戦という、必ず凶であること疑いなし、歳運が合や会にあえば、その勝負を見る、また発すべきものがあるか。冲が一つか二つあるものは、ただ1個の合神を得て力がある、あるいは庫神や喜神がなく、動の気を収めることをもって、その争いの気を休息させる、これが良いものである。喜神が蔵し死絶のものは、また衝動を要し生発の気を引用する。
合局
合有宜不宜,合多不為奇。
合があるのは良いことと良くないことがある、合が多いは奇とはならない。
喜神有能合而助之者,如以庚為喜神,得乙合而助金;凶神有能合而去之者,如以甲為凶神,得己合法之;動局有能合而靜者,如甲生於亥,得寅事而成,綿是也。若助起凶神之合,如己為凶神,甲合之則助土,羈絆喜神之合;如乙是喜神,庚合之則羈絆,掩蔽動局之合,丑示喜神,子午合之則閉,畫其生避這合,不喜甲木,寅亥合之則助木,皆不宜也。大率多合則不流通,不奮發,雖有秀氣,亦不為奇矣。
喜神は良く合し、これを助けるものがある、庚をもって喜神とするように、乙の合を得て金を助ける;凶神は良く合してこれを去るものがある、甲をもって凶神とするように、己の合を得てこれを去る;動局は良く合して静があるのは、甲は亥において生じ、寅を得てことを成す、皆これである。もし凶神の合を起こし助けるなら、己のように凶神となるように、甲はこれと合して土を助ける、喜神の合を妨げる;乙が喜神のように、庚と合するは妨げることとなり、動局の合を覆い隠す、丑が喜神を示し、子午の合はすなわち閉じる、その生局の合は、甲木を喜ばず、寅亥の合は木を助ける、皆これは良くないのである。おおよそ合が多いは流通しない、発奮しない、秀気があっても奇とはならないのである。
君象
君不可抗也。貴乎損上以益下。
君は抗うべきではない。貴は下を益することをもって上を損じる。
日主為君,防神為臣。如甲乙日主,滿局皆木,內有一二土氣,是君盛臣,其勢要多方以助臣,火生之,土實之,金衛之,庶下全而上安。
日主が君であり、防神が臣である。甲乙が日主なら、万局は皆木であり、その内1つか2つの土気があり、これ君が臣を盛んにする、その勢いは臣を助けることをもって多方を助ける、火がこれを生じて、土がこれを実らせ、金がこれを守る、下全かつ上安があることが良い。
臣象
臣不可過也,貴乎損下而益上。
臣は過ぎたるべきでない。貴は下を損じて上を益する。
日主為臣,官星為君。如甲乙日主,滿盤皆木,內有一二金氣,是臣盛君衰,其勢要多方以助金。用帶土之火,以洩木氣;用帶火之土,以生金神,庶君安臣全。若木火又盛,無可奈何則當存君之子,少用不氣,一路行火地,方得發福。
日主が臣であり、官星が君である。甲乙が日主のように、命式が皆木で、その内1つか2つが金気である、これ臣が盛えて君が衰える、その勢い金を助けることをもって多方を要する。土は火を帯びることを要し、木の気を洩らすことによって;火は土を帯びることを要し、金の神を生じることによって、君は安らかで臣を完全である。もし木火が盛んであれば、どうしようもなく、則ち君の子が必要である、水気が少なく、火の地に行けば、発福することができる。
母象
知慈母恤孤之道,始有瓜瓞無疆之慶。
優しい母が孤独の道を知り、初めて子孫繁栄の喜びを知る。
日主為母,日之所生者為子。如甲乙日主,滿柱皆木,中有一二火氣,是母旺子孤,其勢要多方以生子孫,成瓜瓞之綿綿,而後流發於千世之下。
日主を母とし、日のところに生まれるものを子とする。甲乙が日主で、全ての柱が皆木で、中に1つか2つの火の気がある、これ母が旺じ子が孤立する、その勢い子孫が生じることによって多方を要する、子孫の繁栄と成す、後流は千世の下においても発する。
子象
知孝了奏親之方,始剋諧成大順之風。
親孝行の子が親に従うことを知って、初めて調和し大順の風となる。
日主為子,生日得為母。如甲乙滿局皆是木,中有一二水氣,為了眾母衰。其勢要多方以安母。用金以生水,用土以生金,則成母子之情,為大順矣,設或無金,則水之神依乎木,而行木火金盛地亦可。
日主を子とし、日を生じるを母とする。甲乙が日主で命式が皆木で、内に1つか2つの水気があるならば、子は集い母は衰える。その勢い母を安らかにすることをもって多方を要する。金を用いて水を生じ、土を用いて金を生じる、則ち母子の情となる、大順となるのである、あるいは金がなければ、則ち水の神が木に頼り、木火金が盛んな地に行くべきである。
性情1
五氣不戾,性情中和;濁亂偏枯,性情乖逆。
五気は戻らず、性情は中和する;濁り乱れ偏り枯れば、性情は背き逆らう。
五氣在天,則為元亨利貞;賦在人,則仁、義、禮、智、信之性,惻隱,羞惡,辭讓,是非誠實之情,五所不戾者,則其存之而為性,發之而為情,莫不中和矣,反此者乖戾。
元亨利貞:易経からの言葉
五気は天にあり、則ち元亨利貞である;これを人に与えれば、則ち仁義礼智信の性であり、惻隱,羞悪,辞讓,是非、誠実の情となる、五つのところに戻らないものは、則ちこれを存りて性となり、これを発して情となる、中和しないものはなく、かえってこれは背き戻らないのである。
性情2
火烈而性燥者,遇金水之激。
火が激しく性質が燥であるものは、金水の激にあう。
火烈而能順其性,必明順,惟金水激之,其燥爭不可禦矣。
火が激しくその性を良く順にすれば、必ず明順であり、ただ金水がこれを激スト、その燥が争い防ぐことができない。
性情3
水奔而性柔者,當火土之神。
水が激しく流れ性質が柔のものは、火土の神に当たる。
水盛而奔,其性至剛至急,惟有金以行之,木以洩之,則柔矣。
水が盛んで激しければ、その性は剛急になる、ただ金があってコレに巡るのは、木をもってコレを洩らす、則ち柔である。
性情4
木奔南而軟怯。金見水以流通。
木は南に走ると弱く怯える。金は水をみて流通する。
木之性見火為慈,奔南則仁之性行於禮,其性軟怯。得其中者,為惻隱辭讓,偏者為姑息,為繁縟矣。金之性,最方正,有斷制執毅,見水則義之性行而為智,智則元神不滯,故流通。得氣之正者,是非不苟,有斟酌,有變化;得氣之偏者,必氾濫流蕩。
繁縟:繁文縟礼の略。規則・礼式などがこまごまとしていて煩わしいこと。
木の性は火をみて慈しむ、南に走ると仁の性は礼に巡る、その性は軟怯である。その中を得るのは、惻隱、辞讓であり、偏るのは姑息となる、繁縟となる。金の性は、最も方正であり、制を断じて意思の強さをとる、水を見れば義の性は智となる、智は元神が滞らない、故に流通である。この気を得て正のものは、是非をおろそかにしない、相手の心情を読み取ることができ、変化がある;この気を得て偏るのは、必ず氾濫流蕩する。
性情5
最拗者西水還南。至剛者東火轉北。
最も拗(ひねくれる)のものは西水が南にかえる。とても剛のものは東火が北に転じる。
西方之水,發源最長,其勢最旺,無土以制之,木以納之,如浩蕩之勢。不順行,反行南方,則逆其性,非強拗而難制乎?東方之火,其氣焰欲炎上,局中無土以收之,水以制之,焉能安焚烈之勢?若不順行而反行北方,則逆其性矣,能不剛暴耶?
西方の水、源を発して最も長い、その勢いは最旺である、これを制する土がないのは、木をもってこれを納める。浩蕩の勢い(広がる水の勢い)のように、順に行かないのは、かえって南方に行くのが良く、則ちその性質とは逆に、強拗でなければ制するのは難しいだろう。東方の火、その気は焔で炎上を欲している、命式中にこれを納める土がなければ、水をもってこれを制するのが良い、どうやって激しく焚かれた勢いを安らかにすることができるだろうか。もし順に行かずかえって北方に行くのは、則ちその性質とは逆に、剛暴じゃなければ良いのだろうか。
性情6
順生之機,遇擊神而抗。逆生之序,見閑神而狂。
順生の機、撃神にあって抗う。逆生の序、閑神をみて狂う。
如木生火,火生土,一路順其性情次序,自相和平:中遇擊神,而不得遂其順生之性,則抗而勇猛。如木生亥,見戌酉申則氣逆,非性之所安,一遇閑神若巳酉丑逆之,則必發而為狂猛。
木が火を生じるように、火は土を生じる、一路の順はその性情に順序をつけ、自ら和平とする;その中に撃神にあえば、順生の性質を得ることができない、則ち抗って勇猛である。木が亥に小路られ、戌酉申を見るのは則ち気が逆となる、性質が安定することがない、1つ閑神にあえば、もし巳酉丑がこれに逆らうなら、則ち必ず発し狂猛となる。
性情7
陽明遇金,鬱而多煩。陽濁藏火,包而多滯。
陽明は金にあう、鬱や煩が多い。陽濁(陰濁の間違え?)は火を蔵す、包み滞ること多い。
寅午戌為陽明,有金氣伏於內,則成其鬱鬱而多煩悶。酉、丑、亥為陰濁,有火氣藏於內,則不發輝而多滯。
寅午戌は陽明とする、金の気があり内に伏せるは、則ちその鬱々と煩悶は多い。酉丑亥は陰濁とする、火気があり内に蔵すは、則ち発揮せず滞ることが多い。
性情8
羊刃局,戰則逞威,弱則怕事;傷官格,清則謙和,濁則剛猛。用神多者,情性不常;時支柘者,虎頭蛇尾。
羊刃の命式は、戦すなわち威勢がよく逞しい、弱すなわち事を恐れる;傷官格、清すなわち謙虚で穏やかであり、濁すなわち剛猛である。用神が多いのは、情性が不安定である;時支が柘(枯れる?)ものは、虎頭蛇尾である。
虎頭蛇尾:最初は勢いがいいが、最後はふるわないこと
羊刃局,凡羊錄,如是午火,干頭透丙,支又會戌會寅,或得卯以生之,皆旺。透丁為露刃,子沖為戰,未合為藏,再逢亥水之剋,壬癸水之制,丑辰土之洩,則弱矣。傷官格,如支會傷局,干化傷角,不重出,無食混,身旺有財,身弱有印,謂之清,反是則濁,夏木之見水,冬金之得火,清而且秀,富貴非常。
羊刃の命式は、およそ羊錄であり、午火のように、干頭に丙が透干し、支が戌か寅に会するか、卯を得てコレを生じる、皆旺である。丁が透干するのは露刃となる、子が冲せば戦となり、未と合せば蔵となる、再び亥水の剋にあるのは、壬癸の水を制し、丑辰土にこれを洩らす、すなわち弱である。傷官格は、支が傷局に会す、干が傷官に化す、重く出ない、食傷が混じることない、身旺で財がある、身弱で印がある、これを清という、反対のものを濁とする、夏木が水をみ流、冬金が火を得る、清く秀でる、冨貴は常ではない。
- 最終更新:2021-06-04 10:02:25